
倉庫・物流施設のセール&リースバック|使い続けながら資金化
倉庫・物流施設のセール&リースバックを解説。自社倉庫や物流センターを売却して使い続けながら資金化する仕組み、運転資金・EC投資への活用、賃料と物流コストのバランス、老朽倉庫の注意点をまとめます。
約8分で読めます
自社倉庫や物流センターは、立地・動線・許認可の面で移転が難しい資産の代表格です。リースバック(セール&リースバック)なら、物流を止めずに使い続けながらまとまった資金を確保できます。
✓この記事のポイント
- 自社倉庫・物流センターを売却し、賃借して使い続けながら資金化できる
- 物流不動産は投資家の需要が厚く、条件が出やすい傾向がある
- 立地・配送動線・許認可の面で移転が難しいからこそ、リースバックとの相性がよい
- 調達資金は運転資金・設備投資・EC対応投資などに充てられる
- 売却後は賃料が物流コストに加わるため、収支バランスの確認が重要
倉庫・物流施設はリースバックと相性がよい
倉庫・物流センターは、配送エリアや幹線道路へのアクセス、取引先との動線、倉庫業や危険物取扱いなどの許認可を前提に運営されており、移転のハードルが特に高い資産です。移転すれば配送網の再構築や許認可の取り直し、稼働停止のリスクが生じます。
リースバックであれば、拠点を動かさずに不動産だけを現金化できるため、「使い続けたいが、資金も必要」という物流拠点の課題に適合しやすい取引といえます。
自宅を売却
不動産会社・投資家へ売却し、所有権が買主へ移る
賃貸借契約を結ぶ
同じ家について買主と賃貸借契約を締結する
住み続ける
毎月家賃を払いながら、引っ越しせず居住を継続
資金を活用
受け取った売却代金を自由な用途に充てられる
また、物流不動産は近年、投資家・不動産会社の取得需要が厚い分野とされており、他の用途に比べて買主が見つかりやすく、条件面の選択肢が出やすい傾向があります(物件の立地・規模・状態により異なります)。
資金の主な使途
| 使途 | 内容の例 |
|---|---|
| 運転資金 | 繁忙期の仕入れ・人件費、季節変動への備え |
| 設備投資 | マテハン機器・自動化設備・冷凍冷蔵設備の導入 |
| EC対応投資 | 通販向けの庫内改修、システム・人員体制の強化 |
| 財務改善 | 借入金の圧縮、総資産の圧縮(オフバランス効果) |
借入と異なり負債が増えないため、融資枠を温存しながら資金を確保できます。資金繰りの観点は事業用リースバックによる資金繰り改善で詳しく解説しています。
賃料と物流コストのバランス
売却後は賃料が毎月の物流コストに加わります。賃料は一般に「売却価格×期待利回り÷12」が目安とされ、売却価格が高いほど賃料も高くなる関係にあります。坪あたりの保管コストや荷役効率と照らして、賃料を払っても拠点を維持する価値があるかを検討しましょう。詳しくはリースバックの賃料の決まり方をご覧ください。
老朽倉庫・遊休スペースがある場合
築年数が古い倉庫や耐震性に課題のある建物は、評価や賃料条件に影響する場合があります。また、使っていないフロア・敷地がある場合、全体を借り戻すと遊休部分にも賃料を払うことになります。借り戻す範囲を検討する、遊休部分は買主のマルチテナント運用に委ねるなど、契約設計の工夫が考えられます。
マルチテナント型物流施設との違い
売却後の建物が自社専用(BTS型に近い形)で使い続けられるのか、買主が他社にも貸すマルチテナント型として運用するのかで、契約条件や自由度が変わります。増改築や設備工事の可否、看板・車両動線の使い方など、現状の使い方を続けられるかを賃貸借契約で確認することが重要です。
よくある質問
Q. 稼働中の物流センターでも売却できますか? A. はい。稼働を止めずに売却し、賃借して使い続けるのがリースバックの特徴です。引き渡し前後も通常どおり操業できるのが一般的です。
Q. 売却価格はどのくらいになりますか? A. 買主が賃貸運用を前提とするため、一般に市場価格の6〜8割程度が目安です。立地・規模・築年数・汎用性により変わるため、個別の査定をおすすめします。
Q. 冷凍冷蔵設備など特殊設備はどう扱われますか? A. 設備を売買に含めるか、自社所有のまま残すかを契約で明確にする必要があります。撤去・原状回復の条件も含めて事前に確認しましょう。
Q. 会計・税務の処理はどうなりますか? A. 売却損益の計上やリース会計基準の適用は取引条件で異なります。一般論で判断せず、顧問税理士・会計士にご確認ください。
まとめ
倉庫・物流施設のリースバックは、移転が難しい物流拠点を動かさずに資金化できる手段です。投資家需要が厚い分野だけに条件の選択肢も出やすい一方、賃料と物流コストのバランスや老朽・遊休部分の扱いなど確認事項もあります。まずは法人のセール&リースバックの基礎と法人向けリースバックのご案内をご覧ください。
大阪・関西の法人のご相談は、無料相談フォームよりお気軽にどうぞ。
この記事の執筆・監修
リースバックス 編集部編集部
リースバック・不動産売却に関する情報を、公的機関や事業者の公開情報をもとに調査し、利用者目線でわかりやすくお届けする編集チームです。制度や相場は変化するため、最新情報は専門家への確認を推奨しています。
監修:松浦 誠大宅地建物取引士
株式会社ハース所属の宅地建物取引士。大阪・梅田を拠点に、リースバックを含む不動産売買・賃貸借の実務に携わる。実務者の視点から、記事内容の正確性を確認しています。
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