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法人のセール&リースバックとは?仕組みとメリット・注意点を解説
法人・事業用

法人のセール&リースバックとは?仕組みとメリット・注意点を解説

法人が自社所有の事務所・店舗・工場などを売却し、賃借して使い続ける「セール&リースバック」の仕組みを図解で解説。資金調達・オフバランス化などのメリットと、賃料負担・会計処理の注意点を整理します。

11分で読めます

大阪・関西の法人向けリースバックのページでは、対象物件・仕組み・ご相談の流れをまとめています。

リースバックは個人の自宅だけでなく、法人所有の事業用不動産でも活用できます。法人の場合は「セール&リースバック」と呼ばれることが多く、財務戦略の一つとして上場企業から中小企業まで幅広く利用されています。

この記事のポイント

  • セール&リースバックは、自社不動産を売却し、同じ物件を賃借して使い続ける取引
  • 借入ではないため負債が増えず、融資枠を温存しながら資金調達できる
  • 不動産が資産から外れることで総資産が圧縮され、自己資本比率やROAの改善が期待できる(オフバランス化)
  • 売却価格は市場価格の6〜8割が目安。賃料負担が続く点と、会計・税務処理の確認が重要
  • 会計・税務処理は取引条件で異なり、顧問税理士・会計士への事前確認が必須

セール&リースバックの仕組み

セール&リースバックとは、自社で所有する不動産を買主(不動産会社・投資家など)へ売却し、同時にその買主と賃貸借契約を結ぶことで、売却後も同じ物件を使い続ける取引です。

  1. 売買契約:自社不動産を売却し、売却代金を受け取る
  2. 賃貸借契約:買主に賃料を支払い、引き続き同じ物件で事業を行う

自宅を売却

不動産会社・投資家へ売却し、所有権が買主へ移る

賃貸借契約を結ぶ

同じ家について買主と賃貸借契約を締結する

住み続ける

毎月家賃を払いながら、引っ越しせず居住を継続

資金を活用

受け取った売却代金を自由な用途に充てられる

図:リースバックは「売却」と「賃貸」を同時に行い、住み続けながら資金化する

個人向けリースバックとの違い

仕組み自体は個人の自宅と同じです。対象が事務所・店舗・工場などの事業用不動産になり、資金の使途が運転資金・設備投資・財務改善など経営目的になる点が異なります。

対象となる物件の例は次の通りです。

物件種別
事務所本社ビル、営業所
店舗路面店、商業施設内区画
工場・倉庫製造拠点、物流拠点
その他社宅・寮、駐車場、収益物件

法人がセール&リースバックを使うメリット

1. 負債を増やさずに資金調達できる

売却による資金化のため、借入とは異なり負債が増えません。金融機関の融資枠を温存しながら、まとまった資金を確保できます。調達した資金の使途は原則自由で、運転資金・設備投資・借入金の返済などに充てられます。「これ以上借入を増やしたくないが、資金は必要」という局面で選択肢になります。

2. 財務指標の改善が期待できる(オフバランス化)

不動産が貸借対照表の資産から外れることで総資産が圧縮され、自己資本比率やROA(総資産利益率)の改善につながる場合があります。下図のように、固定資産だった不動産を現金化することで、バランスシートが軽くなるイメージです。

売却前(イメージ)

固定資産:不動産(大きい)
現金(少なめ)

売却後(リースバック)

現金(増加)

不動産はオフバランス化され総資産が圧縮。
月々の負担は賃料に一本化される

図:不動産を現金化すると総資産が圧縮され、自己資本比率などの改善が期待できる

会計処理は取引条件次第

オフバランス化の効果や会計上の取り扱いは、リース会計基準の適用など取引条件によって変わります。期待した効果が得られるかは個別の判断が必要なため、顧問税理士・会計士に必ず確認してください。

3. 保有コスト・管理負担の整理

固定資産税や大規模修繕といった所有に伴うコストと管理負担を手放せます(契約により修繕負担の範囲は異なります)。所有から賃借に切り替えることで、コストを「賃料」として平準化できる側面もあります。

4. 移転せずに事業を継続できる

売却後も同じ場所で事業を続けられるため、移転費用や取引先・従業員への影響を避けられます。立地はそのままに、資産だけを現金化できる点が、通常の売却(移転を伴う)との大きな違いです。

5. 事業承継・相続への備え

不動産を現金化しておくことで、事業承継や相続の際に資産を分けやすくなる場合があります。「不動産のままでは分割しにくい」という課題への備えとして検討されることもあります。

注意点・デメリット

契約前に必ず確認

メリットの裏返しとして、次の点は契約前に必ず確認・比較してください。

  • 売却価格は市場価格より低くなる傾向:買主が賃貸運用を前提とするため、一般に市場価格の6〜8割程度が目安です
  • 賃料負担が続く:長期で見ると賃料総額が売却額を上回ることもあります。資金計画に長期の賃料を織り込みましょう
  • 契約形態の確認:定期借家契約の場合、期間満了後に再契約できない可能性があります。事業継続の前提となる期間を確保できるか確認が必要です
  • 抵当権の抹消が前提:担保に入っている物件は、売却額が残債を上回り抵当権を抹消できることが前提になります。残債と査定額の関係を事前に確認しましょう
  • 会計・税務処理:売却損益の計上、リース会計基準の適用、消費税の取り扱いは取引条件で変わります。顧問税理士・会計士への事前確認をおすすめします

どんな場面で検討されているか

  • 急な運転資金・つなぎ資金が必要になった
  • 借入に頼らない資金調達手段を確保したい
  • 決算に向けて財務体質を改善したい
  • 事業承継・相続を見据えて資産を現金化しておきたい
  • 本社や拠点は移転せずに、資産だけを身軽にしたい

具体的な活用場面は法人がリースバックを活用する代表的なケースで詳しく解説しています。

まとめ

セール&リースバックは、「不動産は使い続けたいが、資金も必要」という法人にとって有力な選択肢です。借入を増やさずに資金化でき、オフバランス化による財務改善も期待できます。一方で、売却価格・賃料・契約期間・会計処理など確認すべき点も多いため、条件を比較したうえで判断することが重要です。

よくある質問

Q. 売却すると財務にはどう影響しますか?

A. 不動産が資産から外れて総資産が圧縮されるため、自己資本比率やROAの改善につながる場合があります(オフバランス化)。ただし効果や会計処理は取引条件によって変わるため、顧問税理士・会計士に確認してください。

Q. 借入金が残っている物件でも利用できますか?

A. 売却額が残債を上回り、抵当権を抹消できることが前提になります。残債と査定額の関係によって可否が変わるため、まずは現状を確認することをおすすめします。

Q. 会計・税務の処理はどうなりますか?

A. 売却損益の計上、リース会計基準の適用、消費税の取り扱いなどは取引条件で異なります。一般論で判断せず、必ず顧問税理士・会計士に事前確認してください。

関西エリアの事業用不動産については、法人向けリースバックのご案内をご覧のうえ、無料相談フォームよりお気軽にご相談ください。

この記事の執筆・監修

リースバックス 編集部編集部

リースバック・不動産売却に関する情報を、公的機関や事業者の公開情報をもとに調査し、利用者目線でわかりやすくお届けする編集チームです。制度や相場は変化するため、最新情報は専門家への確認を推奨しています。

監修:松浦 誠大宅地建物取引士

株式会社ハース所属の宅地建物取引士。大阪・梅田を拠点に、リースバックを含む不動産売買・賃貸借の実務に携わる。実務者の視点から、記事内容の正確性を確認しています。

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