
競売を回避してリースバックで住み続ける方法|期限とタイムリミット
住宅ローンを滞納すると最終的に自宅は競売にかけられます。競売のデメリット、リースバックや任意売却で回避できる条件、動けるタイムリミットを時系列で解説。競売開始決定の通知が届いた後でも間に合うケースがあります。
約12分で読めます
住宅ローンの返済が滞ると、最終的に自宅は競売にかけられ、退去を余儀なくされます。しかし競売が申し立てられる前——場合によっては申し立て後でも——リースバックや任意売却によって競売を回避し、自宅に住み続けられる可能性があります。
✓この記事のポイント
- 競売は市場価格より安く落札されやすく、退去も強制。避けられるなら避けるべき最終手段
- 売却代金でローンを完済できる(アンダーローン)なら、リースバックで競売を回避して住み続けられる
- 残債が上回る(オーバーローン)場合も、債権者の同意を得る任意売却とリースバックの併用が検討できる
- 動けるのは競売の開札前日までが原則。ただし現実には時間がかかるため、滞納の早い段階での相談が肝心
- 滞納前〜滞納初期なら選択肢は多い。督促状・催告書が届いた時点ですぐ動く
競売になるとどうなるか
競売は、債権者(金融機関など)が裁判所に申し立て、自宅を強制的に売却してローンを回収する手続きです。所有者にとっては次のデメリットがあります。
- 落札価格が市場価格より安くなりやすい(目安として市場価格の5〜7割程度といわれます)
- 退去が強制される:落札者に引き渡す必要があり、住み続ける交渉の余地はほぼない
- 情報が公開される:競売物件情報として住所・写真が公告される
- 残債が残りやすい:安く売られる分、売却後もローンが残る可能性が高い
競売より高く売れる可能性があり、住み続ける道も残せるという点で、競売の前に自分の意思で売却することには大きなメリットがあります。
滞納から競売までの流れとタイムリミット
- 1
滞納1〜2か月:督促状が届く
金融機関から支払いの督促。この段階なら返済条件の変更(リスケジュール)や売却の検討など選択肢が最も多い。
- 2
滞納3〜6か月:期限の利益の喪失
分割返済の権利を失い、残債の一括返済を求められる。保証会社が代位弁済し、債権が保証会社・サービサーへ移る。
- 3
競売申立て:競売開始決定通知が届く
裁判所から「担保不動産競売開始決定」の通知。ここからでも任意売却・リースバックの交渉余地は残っている。
- 4
現況調査〜期間入札
執行官の調査を経て入札期間・開札日が決まる。競売を取り下げてもらうには開札前日までに債権者と合意が必要。
- 5
落札・退去
落札者に所有権が移り、退去となる。ここまで進むと打てる手はほぼない。
「開札前日まで」は理論上の期限
競売の取り下げは開札の前日まで可能とされていますが、買主探し・債権者との交渉・契約には現実に数週間〜数か月かかります。競売開始決定の通知が届いたら、1日でも早く相談してください。
リースバックで競売を回避できる条件
競売を回避してリースバックで住み続けられるかは、売却代金でローンを完済できるかで大きく分かれます。
売却見込み ≧ ローン残債
アンダーローン
売却代金でローンを完済でき、リースバックを利用しやすい状態。
売却見込み < ローン残債
オーバーローン
差額を自己資金で補えないと難しく、任意売却など別の選択肢も検討する。
アンダーローンなら:通常のリースバックで解決できる
売却見込み額がローン残債を上回っていれば、リースバックの売却代金で残債を完済し、抵当権を抹消できます。競売は申し立てられる理由がなくなり(申立て後なら取り下げを求められ)、賃貸として同じ家に住み続けられます。毎月の住宅ローン返済は家賃に置き換わるため、返済負担の軽減にもつながります(住宅ローンが残っている場合の解説)。
オーバーローンなら:任意売却+リースバックの併用を検討
残債が売却見込み額を上回る場合、通常の売却はできませんが、**債権者の同意を得て抵当権を外してもらう「任意売却」**という方法があります。任意売却の買主がリースバックに対応していれば、任意売却で競売を回避しつつ、賃貸として住み続けることも可能です。
ただし、次の点に注意が必要です。
- 売却価格・条件について債権者(保証会社・サービサー)の同意が必要で、家賃や賃貸条件にも制約が出ることがある
- 売却後も残った債務の返済は続く(返済条件は債権者と協議)
- 交渉には時間がかかるため、タイムリミットとの勝負になる
任意売却の仕組みとリースバックとの関係は、リースバックと任意売却の違いで詳しく解説しています。
競売とリースバック・任意売却の比較
| 比較項目 | 競売 | 任意売却(+リースバック) | リースバック(完済可能な場合) |
|---|---|---|---|
| 売却価格 | 市場価格の5〜7割程度 | 市場価格に近づけやすい | 市場価格の6〜8割が目安 |
| 住み続け | 原則不可 | 買主対応なら可能 | 可能 |
| 周囲への公開 | 公告される | されない | されない |
| 自分の意思 | 反映されない | 債権者と協議のうえ反映 | 反映される |
滞納する「前」なら選択肢はもっと多い
「このままではローンを払えなくなりそう」という段階であれば、選択肢はさらに広がります。
返済が苦しくなってきた段階でできること
- 金融機関に返済条件の変更(リスケジュール)を相談する
- リースバックで売却し、ローン返済を家賃に切り替える
- 通常売却や住み替えも含めて手取りと住居費を比較する
- 家計全体を見直し、毎月払える住居費の上限を把握する
滞納が始まって信用情報に傷がつく前のほうが、価格交渉も冷静に進められます。「まだ滞納していないが不安」という段階でのご相談も歓迎です。
よくある質問
Q. 競売開始決定の通知が届きました。もう手遅れですか? A. いいえ。競売の取り下げは開札前日まで可能なため、この段階でも任意売却やリースバックで回避できるケースがあります。ただし交渉と契約には時間がかかるため、すぐに専門会社へ相談してください。
Q. リースバックすれば必ず競売を回避できますか? A. 売却代金でローンを完済できる場合は回避できる可能性が高いですが、オーバーローンの場合は債権者の同意(任意売却)が必要です。物件の査定額と残債の確認が出発点になります。
Q. 競売を回避した後、家賃を払えるか不安です。 A. 家賃は売却価格と利回りから決まるため、査定時に月々の家賃を必ず確認し、収入に対して無理のない水準かを検討しましょう。家賃を抑えたい場合は売却価格とのバランス調整を相談できます。
Q. 近所に知られずに解決できますか? A. 任意売却・リースバックは通常の不動産取引として進むため、競売のように住所や写真が公告されることはありません。外見上の変化もないため、周囲に知られにくい方法です。
まとめ
競売は価格・住まい・プライバシーのすべてで不利になりやすい最終手段です。アンダーローンならリースバック、オーバーローンなら任意売却との併用で、競売を回避して住み続けられる可能性があります。勝負はスピードです。督促状や競売開始決定の通知が届いている方は、今日にでも行動を始めてください。
関西エリアでの競売回避・リースバックのご相談は無料相談フォームからどうぞ。残債と物件の状況から、取れる選択肢を無料でご案内します。
この記事の執筆・監修
リースバックス 編集部編集部
リースバック・不動産売却に関する情報を、公的機関や事業者の公開情報をもとに調査し、利用者目線でわかりやすくお届けする編集チームです。制度や相場は変化するため、最新情報は専門家への確認を推奨しています。
監修:松浦 誠大宅地建物取引士
株式会社ハース所属の宅地建物取引士。大阪・梅田を拠点に、リースバックを含む不動産売買・賃貸借の実務に携わる。実務者の視点から、記事内容の正確性を確認しています。
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