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リースバック後の修繕費・火災保険は誰の負担?契約前に確認すべき条項
トラブル・注意点

リースバック後の修繕費・火災保険は誰の負担?契約前に確認すべき条項

リースバック後の修繕費は原則、貸主(買主)負担ですが、契約の特約で借主負担とされるケースがあり、トラブルの火種になりがちです。設備故障・雨漏り・原状回復・火災保険の負担区分と、契約前のチェックポイントを解説します。

11分で読めます

リースバックで自宅を売却して賃貸に切り替わると、「給湯器が壊れたら誰が直すのか」「火災保険はどうなるのか」という負担の線引きが変わります。ここを曖昧にしたまま契約すると、入居後の修繕トラブルにつながりかねません。この記事で負担区分の原則と、契約前に確認すべき条項を整理します。

この記事のポイント

  • 賃貸の原則では、建物・設備の修繕は貸主(買主=新所有者)負担、借主の故意・過失によるものは借主負担
  • ただしリースバックでは修繕を借主負担とする特約が付くことがあり、契約書の確認が必須
  • 火災保険は「建物」は所有者(買主)、「家財+借家人賠償責任」は借主が備えるのが基本
  • 退去時の原状回復の範囲(通常損耗の扱い)も契約前に確認する
  • 長年住んだ自宅だからこそ、経年劣化した設備の扱いを口頭でなく書面で取り決める

賃貸借の原則:修繕義務は貸主にある

民法上、賃貸物件の使用に必要な修繕は貸主(所有者)が行う義務を負うのが原則です。リースバック後の貸主は買主(新所有者)なので、原則論では次のようになります。

修繕の内容原則の負担者
雨漏り・外壁・屋根など建物本体の修繕貸主(買主)
給湯器・エアコンなど付帯設備の経年故障貸主(買主)※設備の範囲は契約による
電球・パッキン交換など日常の小修繕借主
借主の故意・過失・不注意による破損借主
マンション共用部・大規模修繕所有者(買主)が管理組合を通じて負担

リースバック特有の注意:借主負担特約

ここからが重要です。リースバックの賃貸借契約では、「設備の修繕は借主の負担とする」という特約が付くケースがあります。

背景には、「売主がそれまで自分の持ち物として使ってきた設備であり、状態を最もよく知っているのは借主自身」という買主側の事情があります。特約自体が直ちに無効というわけではないため、契約書に書かれていれば原則その内容に従うことになります。

「原則貸主負担のはず」は通用しない

賃貸の一般論と契約書の特約が異なる場合、優先されるのは契約書です。「エアコン・給湯器は借主負担」「建物本体のみ貸主負担」など線引きは会社によって異なります。査定条件を比較する際は、売却価格・家賃だけでなく修繕負担の条件も比較項目に入れましょう。

契約前チェックリスト

修繕・保険まわりの契約前チェック

  • 建物本体(雨漏り・躯体)の修繕は貸主負担と明記されているか
  • 給湯器・エアコン・キッチンなど設備ごとの負担区分はどうなっているか
  • 経年劣化・寿命による故障と、借主の過失による破損の扱いが区別されているか
  • 退去時の原状回復の範囲(通常損耗・経年変化は対象外か)
  • 火災保険は誰が何に入るか(建物=貸主/家財・借家人賠償=借主)
  • 修繕が必要になったときの連絡先・手続きが決まっているか

火災保険はどうなる?

所有者が変わることで、火災保険の掛け方も変わります。

  • 建物の火災保険:所有者である買主が加入します。これまで自分で掛けていた建物の保険は、売却(引き渡し)に合わせて解約するのが一般的で、長期契約の場合は未経過分の保険料が返戻されることがあります。
  • 家財保険:家具・家電など自分の持ち物への備えは借主(あなた)が加入します。
  • 借家人賠償責任保険:借りている部屋に損害を与えてしまった場合に貸主へ賠償するための保険で、賃貸借契約で加入を求められるのが一般的です(家財保険とセットが通例)。

賃貸への切り替え時に「建物の保険をやめて、家財+借家人賠償に入り直す」と覚えておきましょう。

退去時の原状回復にも注意

将来退去するとき(住み替え・施設入居など)には原状回復の問題が出てきます。国土交通省のガイドラインでは、通常の使用による損耗・経年変化は貸主負担が原則とされていますが、契約の特約で借主負担の範囲が広げられている場合があります。

リースバックでは長年住んだ家をそのまま借り続けるため、入居時点(売却時点)の状態の記録が曖昧になりがちです。契約時に物件状態を写真や書面で残しておくと、退去時のトラブルを防げます。

トラブルになったら

「契約と違う修繕費を請求された」「貸主が修繕に応じてくれない」といった場合は、まず契約書の該当条項を確認したうえで、貸主(買主の会社)に書面で対応を求めましょう。解決しない場合は消費生活センターや弁護士への相談も選択肢です。よくあるトラブルのパターンはトラブル事例と対策、契約形態の基礎は普通借家と定期借家の違いで解説しています。

よくある質問

Q. リースバック後に給湯器が壊れたら誰が直すのですか? A. 賃貸の原則では貸主(買主)負担ですが、リースバックでは設備修繕を借主負担とする特約が付くことがあります。契約書の修繕負担条項でどちらの負担か確認してください。

Q. 火災保険はこれまでのものを続ければいいですか? A. いいえ。建物の保険は新所有者(買主)が掛けるため、自分は家財保険と借家人賠償責任保険に入り直すのが基本です。既存の建物保険は解約すると未経過分の保険料が戻る場合があります。

Q. 修繕費の負担が重い契約は避けられますか? A. 修繕負担の条件は会社によって異なります。複数社から条件を取り寄せ、売却価格・家賃とあわせて修繕負担の範囲も比較して選びましょう。

Q. 退去時に高額な原状回復費を請求されないか不安です。 A. 通常損耗・経年変化は貸主負担が原則ですが、特約の内容によります。契約前に原状回復の範囲を確認し、入居時の状態を写真で記録しておくことが有効な自衛策です。

まとめ

リースバック後の修繕費は「原則は貸主負担、ただし特約次第」、火災保険は「建物は買主・家財と借家人賠償は借主」が基本形です。売却価格と家賃だけでなく、修繕負担・保険・原状回復の条件まで含めて複数社を比較することが、入居後のトラブルを防ぐ最大のポイントです。比較の全体像は失敗しない選び方をご覧ください。

関西エリアでのご相談・無料査定はお問い合わせフォームで承ります。契約条件の見方についてもご説明します。

この記事の執筆・監修

リースバックス 編集部編集部

リースバック・不動産売却に関する情報を、公的機関や事業者の公開情報をもとに調査し、利用者目線でわかりやすくお届けする編集チームです。制度や相場は変化するため、最新情報は専門家への確認を推奨しています。

監修:松浦 誠大宅地建物取引士

株式会社ハース所属の宅地建物取引士。大阪・梅田を拠点に、リースバックを含む不動産売買・賃貸借の実務に携わる。実務者の視点から、記事内容の正確性を確認しています。

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